インタビュー・対談シリーズ『私の哲学』
私の哲学Presents
第104回 丸尾 孝俊 氏

学歴に関係なく、実力で大富豪へと上り詰めた自身を振り返り、「稼ぐ力」の重要性を説く一方で、人としての在り方、道徳の大切さを説いて多くの人の共感を得ている丸尾孝俊氏。積極的な社会貢献を行う氏の懐の深さを慕ってバリ島を訪れる若者も多く、「バリのアニキ」と呼ばれて親しまれています。そのアニキが、バイタリティーを失った日本人へ送る言葉とは。

Profile

104回 丸尾 孝俊(まるお たかとし)

バリ島のアニキ
1966年、大阪府生まれ。1969年から父親との2人暮らしになり、中学卒業後は看板屋に丁稚奉公。その後、吉本興業、運送会社などを経てバリ島(インドネシア)に渡る。お金を貸したバリの友人から返済代償に譲り受けた土地を、何十倍もの額で売却できたことを契機に、大家・リース業で成功。バリ島に学校や病院などを寄附するほか、伝統楽団への資金援助なども惜しまず、現在では「バリのアニキ」「マルさん」と呼ばれて、現地の人達に親しまれている。
『出稼げば大富豪』(共著/PHP研究所)、『絶対成功する大富豪のオキテ』(共著/日本文芸社)、『にぎやかだけど、たったひとりで』(吉本ばなな共著/幻冬舎)、『大富豪アニキの教え』(ダイヤモンド社)などの著書多数。

バリ島のアニキ公式サイト
DMMオンラインサロン アニキリゾートライフ

外に出て世界を見てみろ

俺がバリ島に単身渡ったのは28歳のときやった。30代には関連会社が大きくなって、40代の頃には、ホテル、プロダクト、ファクトリー関連のほか、農地も貸してた。俺の場合は、土地を買って、貸して、最後には宅地にして、そうやって大きなったんや。
今では家を建てるのが趣味になって、あっちこっち自宅まみれや。
最近の日本人の若者は、コロナのせいもあるけれど内にこもりがちで、家でゲームしてるのが一番幸せとか言ってるらしいが、意味分かれへん。そんな状況では「日本人やばいよ」って思うよ。もっと外に出て、いろいろなものを見なきゃ。そこは変えないといけない。

セオリーから抜け出せ

人生で強いやつとは稼ぎ方知ってるやつ。これは断トツ強い。どんだけ貧乏になっても、これは強い。なんでかっていうと、稼ぐやつは貯金が要らん人だから。保険にも入らなくていい。稼いでいれば貯金も保険も必要ないもん。保険に入るのは稼げないやつが不安やからやろ。
世の中の7割8割は毎月5万円ずつ積み立てして1年で60万円、10年間で600万円貯めましたという人だけれども、そんなん時給600万のやつにかないっこないやん。ていうことは、稼ぎ方が分かっとるやつのほうが絶対に上やん。
だから、稼ぎ方を知ってる人を見てないとあかん。金持ちを見てても、それだけのことや。宝くじ当てたやつを見てるなんて時間をどぶに捨ててるのと同じやん。相続で10億円入りましたっていうやつを見てるなんて、意味ない。日本人にはそんなのが多いな。

残念なことに稼ぎ方をちゃんと知ってるってやつは少ない。世間的にいいと言われることやってる人は大勢おるよ。けど、稼ぎ方がちゃんと理解できてるやつは意外といない。
日本人にも稼ぎ方を知ってるやつはおるけど、こまいんや。自分の稼ぎ方しか知らない。立派な会社の社長を何年もやって会社全体の稼ぎ方は考えてきているのに、それを自分のものにできていない経営者は多い。
なんでかっていうと、経営の1から10までを順序よく学んできた人は、1から10までのセオリーから抜け出せなくなってるからや。既成概念で固まってる。だから、何でも「一般的には」っていうねん。俺に言わせれば、「おまえは一般的が好きやから一般的なんねん。だから貧乏のままなんねん」ていうことや。俺は一般的なんか嫌いや。
俺の友だちにも東大卒やハーバード大卒の人間いる。けど、一般的が好きやったら何のための東大やハーバードやったん。意味ないやん。一般的が嫌いだから東大やハーバードに入ったんじゃないのって思うんや。

優秀な大学を出ても稼げない人がいるのは、会社の歯車の中心にはすっぽりまってしまうからや。歯車の真ん中にいたら抜け出せなくなってしまう。けど、端っこにいたら、まだぎりぎり何とかなるかもしれん。だから、せめて端っこにいないと。中卒の大富豪率が世界でも高いのは、端っこにいていろいろなことが見えたからや。稼ぐ力を持っていれば、なんぼでも這い上がれる。

稼げないやつから学べ

もう一つ、稼げてないやつを研究することも大事や。みんな稼げてるやつばっかり追いかけるけど、教えてくれるわけない。だから逆に、「何でこいつは稼げないんだろう」ってやつをまず探求すんねん。そうしたら見えてくるから。他人は反面教師。そいつらと同じことしなきゃいいわけ。真逆をいけばいけるんや。だから、金使うだけなら大学に行くなってこと。いち早く社会に出て経験を金に変えるなら中卒でいい。
俺は中学出てから丁稚奉公に入ったけど、中卒のすごいのはどこかと言えば、自分が一番底辺だと思い込んでることや。「同級生は高校や大学行っちゃった、俺は駄目や、あいつらには勝てねえ」と思ってるから、「何でもやらせてください」ってなる。見習いをするなかでこっちは先輩に尽くし、先輩はこっちを育てくれるわけや。その結果、いろんなことがいっぱいできるようになってる。いろんな所を見てるから、「こないしたら儲かるねん」「あないしたら儲かるねん」って言えるようになる。失敗した人も周りにいっぱいおるから、どうしたら金持ちになれるか、逆に金持ちになれないかが全部分かる。俺はお金を貯めようとしたわけやなく、先輩に尽くしていたら貯まってた。

中学卒業までに教育費や養育費にお金かかるのに、そこからまたご丁寧に高校と大学に行けば何倍もお金がかかる。カメが7年分先にスタートしてたら、ウサギがなんぼ頑張ってもカメに追いつけへんやろ。スタートは早いほうがいい。
俺のところにも、大学教授とか博士課程に行ってるやつが通ってきてるけど、ぜんぜん稼げてない。家を買うとかいうんやけど、「それ、借金は?」と聞くと「もちろんローンです」という。そんなの自分のじゃないやん。
そういうやつに限って、自分はどストライクを狙って行こうと思ってて、中卒なんかは端っこからボロボロ落ちてるみたいなイメージしかもってない。「中卒なんかはダメだよね」となるわけやけど、どっちが自由に生きられるか考えてみるといい。

稼ぐ力っていうのは、実をいうと継承とか伝承されるもの、つまり人から授かるもんやねん。自分で学んだり、捕まえるもんではないと俺は思っとる。
自分が見込んだ人、勝手に見込んだ人でええから、その人が「あそこに行け」って言ったら、行ってみるねん。それが大切。それがいい結果を生む。若い頃の俺はそれをやってきた。ビルを何百本も持ってる先輩に、「この人に会え」と言われて会いに行ったら、その人から何十億っていう仕事をもらった。人っていうのは見込んでなんぼ、見込まれてなんぼ。見込まれなければおしまいや。
こういう話をしても、日本では考え方がずれているとか言われて肝心な話にならんが、みんなには、日本を背負う一員になってほしいと思っている。何としてでも日本を応援するぞっていう認識を持ってもらいたいんや。いろんな人に会って、聞いた話を伝え、継承させようっていう意識を持ってもらいたい。
そもそも、今の若い人たちには、先輩がいうことを自分なりに受け止めようという気持ちがないねん。なのに、自分はビッグになりたいとか大物になりたいとかいう。けど、そら無理や。
何でかいうたら、例えばな、先輩のいうことを真摯に受け止めて、日本もまずいけど、自分もまずいということがちゃんと認識できたら学び始めるはずや。そして、そのために努力すんねん。努力したら、先輩からはもっと高度なことを教えてもらえるようになる。そうやってビッグになるんや。ところが、それをしない。だいたい、そこに至ろうと思う若者も少のうなってしもた。

幸福とは平和であること

日本人は幸福度が低いと言われてるが、それは幸福イコール金と考えるからや。そういう思いが薄ければ薄いほど、幸福度が高い。アフリカへ行ってみろ。アフリカにはコンゴとかソマリアとか政治的にややこしい国がいっぱいあるやん。でもな、ソマリアは幸福イコールが金じゃなくて、幸福イコール平和やねん。そういう国は幸福度がすごく高い。
幸福っていうのは、実は平和なんや。日本人は、それだけかって思うから、幸福度が低いわけや。平和こそが幸福だって思ってる国こそが幸福。だから貧乏してても、みんな笑ってられる。日本は貧乏してたら笑ってられないので、幸せじゃない。そこがポイントやねん。日本では、貧乏を楽しむってことはできない。苦しい時こそ笑えや。

大切なのは人としての在り方、道徳。昭和の時代は大勢の大人が子どもに関わっていて、子どもたちはいかに大人と接するかを学んでいた。そこからマナーやモラルを覚えていったもので、頭がいいだけじゃ誰も相手にしてくれなかったわけや。今も、道徳心がない人間に何かを教えようと思う人はいないわけで、日本人が好きな英才教育とかでは難しい。祭りでも自治活動でもいい、子どもを外に連れて行き両親以外のたくさんの良い大人にも会わせることが大事。子どもを子どものままに置いておく親が多すぎやと思うわ。

外に出て世界を見てみろ!

遠路はるばる訪ねて来た、DK マックス。
久し振りに骨のある奴に出会った。
猪突猛進 必死のパッチ
文字通り「無我夢中」な男。
こんな男が世の中、日本🇯🇵を変えるかも知れない。
行く行かない、やるやらない
2択しか無い世の中
真の至高体リーダーシップという名の船を
まるで漕ぎ続ける様な男だ。

奴の開いた瞳孔は
正に日本の切り札となりうるだろう。

期待壮絶、感謝ベリーマックス!


兄貴和僑 丸尾孝俊


バリ島のアニキには昔からお会いしたく、出張でバリ島に到着してから、直撃インタビューアポのご連絡をしました。翌日、アニキから連絡をいただき、感激しました!色々と情報交換をした後、ご自宅にご招待していただきました。まさに、行動することでアニキとの出会いができました。
以前から著書や映画を拝見していましたので、お会いするのが楽しみでした。丸二日間一緒に過ごすことができ、さまざまな角度から人生とビジネスのアドバイスをいただくことができました。「稼ぐ」というスキルを身につけることで世の中が変わっても生存していけることを教えていただきました。時代や環境によって「変わる」ことはもちろん必要ですが、生きていく上のポイントを教わり、自分の潜在能力を高めてくださりました。
アニキの優しい心遣いや行動に感激し、自分ももっと色々と活動して人々を幸せにしたいと思いました。アニキ、またバリ島にいく際は仲間と一緒に行きますのでどうぞよろしくお願いいたします!

『私の哲学』編集長 DKスギヤマ

2022年11月 バリ島のアニキのヴィラにて

編集:DKスギヤマ ライター:鮎川京子 撮影:ひろ 和僑